長野の結束力、見事
晩秋の福島路を18都道県の女子選手たちが駆け抜けた第32回東日本女子駅伝は、長野県チームが7年ぶり2回目の優勝を飾りました。1区(6km)から大波乱。というのも、東京都チームの上原美幸さん(リオデジャネイロ五輪女子5000m日本代表)に挑もうとする高校生たちの気迫がすごかったからです。スタートしてすぐ、上原さんの右横に千葉の加世田梨花さん(成田高)、左横に長野の和田有菜さん(長野東高)が並び、3.5kmで加世田さんがスパート。しかし、残り500mを切った所で和田さんが加代田さんを抜いて区間賞を獲得。上原さんは皆から標的にされる中、区間6位。スタジオで私と一緒に解説をした飯塚翔太さん(リオ五輪4×100mリレー銀メダル)は「五輪選手は、今は休養の時期なんですよね」と、しっかりフォローされました。そして長野は2区以降も全員が快心の走りだったのです。「実業団選手がおらず、3位以内を目標にしていましたから、驚きました」と、監督の玉城良二さんも満面の笑みでした。「僕たちが誰も9秒台がいないのに、銀メダル獲ったのに似ていますね」と飯塚さん。
玉城さんにお話を伺うと、長野は小中学生を指導する川中島ジュニアクラブ(長野市)と長野東高校との連携がよくとれているようです。クラブを指導するのは竹内万祐さん。毎日、小中学生が午後5時から1時間半練習します。「冬は暗いので懐中電灯持って走ることもありますよ」と竹内さん。そこで強くなった選手は長野東高校へ進み、玉城さんの指導を受けるのです。長野東高校は全国高校女子駅伝に10年連続出場。子どもの頃から一貫した指導が行われているからこその結束力です。
(共同通信/2016年11月14日配信)
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