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おしゃべり散歩道2016

高地環境が健康後押し

 秋晴れの空に御嶽山から上がる白い水蒸気が映えた10月中旬、下呂市濁河温泉高原スポーツレクリエーションセンターで「第2回飛騨小坂おんたけパノラマウォーキング&ジョギング」が開催されました。標高1700mにある日本を代表する高地トレーニング施設のセンターは、昨年の北京世界陸上選手権の前には英国のファラー選手(ロンドン・リオ五輪、5000m1万m2大会連続2冠)らが合宿。「ファラーさんは室温を30℃、標高3000mの設定で30分間トレッドミルの上を走っていました」と支配人の竹村洋美さんは話してくれました。リオ五輪直前には男子レスリングの合宿も行われ、普段は実業団や大学、高校の陸上部が夏の合宿に多く訪れています。
 そんなトップ選手が合宿する場所で、なぜ老若男女が集ってスポーツイベントを行うのか?それは「高地の酸素が薄い環境下で体を動かすことで、酸素を取り込む能力が向上し、筋肉も効果的に鍛えられるからです」と竹村さん。それにより様々な生活習慣病の改善につながることが科学的に証明されています。
 この日、100人強の参加者の中で最高齢は藤原孝祐さん。「11月7日で92歳です」と楽しそうに話す藤原さんは、胸を張って上り坂もスタスタと歩かれ、70代80代の参加者がびっくり。担当者に伺うと「自宅から送迎バスの集合場所まで50kmを自ら運転して来られたんですよ」と。すごいですねと話しかけると「何日か前に1回練習で集合場所まで運転してみたら大丈夫じゃったからね」と、皆で大笑い。眼も耳も全く問題なくお話も達者で、健康長寿のお手本のような方です。御嶽山の豊かな自然は、これから健康長寿の聖地になるかもしれません。

(共同通信/2016年10月17日配信)

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