地域のスポーツ振興を
実りの秋に、早稲田大学大隈講堂で「スポーツと地域振興」と題したシンポジウムが開催され、私はパネリストとして参加。三谷裕子さん(日本バスケットボール協会会長)、池田弘さん(アルビレックス新潟会長)、間野義之さん(早稲田大学スポーツ科学学術院教授) とご一緒しました。司会はNHKの刈谷富士雄アナウンサー。全国各地から約600人の聴衆が集まり大盛況でした。
冒頭、スポーツ庁長官の鈴木大地さんが挨拶。スポーツがビジネスとしても発展し、地域を元気にしている例を紹介。山間の村で川の急流を利用したラフティングが人気になり、夏のスキー場では山歩きやマウンテンバイクが行われている話をしながら、「スポーツ資源はまだまだ開発できる」と。
シンポジウムで間野さんは、’19年ラグビーW杯、’20年東京五輪・パラリンピック、’21年が関西ワールドマスターズゲームズであることに触れ「このスポーツのゴールデンイヤーズは、地方のインフラ整備や人口減少を解消するチャンスになる」と。そして「地元企業に選手を一人ずつ雇用してもらうようにお願いした」と池田さん。アルビレックスにはサッカー以外にも野球、陸上競技など合計10の競技チームがあり、ほとんどの選手が地元の企業で働きながら競技をしています。職場に選手がいると応援も力が入ることでしょう。三屋さんは、スポーツでの地域振興の成否はチームやイベントを「自分事化」できるかどうかにかかっていると。住民が「オラが町のチーム」「私たちの大会」というように思ってくれると成功につながると話しました。私も故郷で開催しているいすみ健康マラソン大会のことを紹介。何とも実りの多い時間でした。
(共同通信/2016年10月7日配信)
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