朗らかにリオを走って
向日葵がどんどん背を伸ばし、リオデジャネイロ五輪までも1か月を切りました。皇太子様ご臨席の下に開かれた壮行会に、日本代表選手が集結。笑顔の多い雰囲気が、私の出場した30年ほど前とは大違い。微笑ましかったです。
女子マラソンは会期中盤の8月14日。南半球なので季節は冬。でも緯度が低いため、レースが行われる午前中の気温は20℃位になりそうです。タイムでなく勝負が問われる五輪では、スローペースになる傾向が長く続きましたが、ロンドン五輪ではエチオピアのティキ・ゲラナ選手が五輪新記録(2時間23分7秒)で優勝。リオでも速いレース展開が予想されます。
福士加代子さんは、スピードという面でアフリカ勢に引けを取りません。右足甲の痛みから6月末の大会を回避しましたが、「違和感程度なので大丈夫。大事を取りました」と監督の永山忠幸さん。今年1月に優勝した大阪国際女子マラソンの時は、約1か月半で仕上げているので、短期集中型の福士さんには丁度いいかもしれません。
田中智美さんは勝負強さが持ち味。米国・ボルダーや菅平で合宿を行っていますが、山下佐知子さんの練習メニューを順調にこなしています。「まさに彼女は“疾風に勁草を知る”の人。疾風が吹くほど強さをみせる」と山下さん。リオではアフリカ勢がチームとしての揺さぶりをかけるでしょう。大いに力を発揮しそうです。
そして、北海道など国内で合宿中の伊藤舞さん。昨年の北京世界陸上でもみせた粘り強さ(7位入賞)は天下一品。良い時も舞い上がらず、悪い時も淡々としている冷静な人です。
福士さん、田中さん、伊藤さん、本番ではリオのカーニバルのように朗らかに走ってください。
(共同通信/2016年7月3日配信)
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