障害者と健常者が楽しむ
6月上旬、北海道新幹線に初めて乗車して東京から函館へ。新青森駅から新函館北斗駅までの1時間は津軽半島の自然と青函トンネル、そして北海道の雄大な景色を楽しめました。旅の目的は函館の島信一朗さんにお会いすること。島さんは全盲の視覚障害者で、昨年完成した函館アリーナに設計当初から色々助言されてきました。そのアリーナが、きめ細やかなバリアフリー化が進んでいると評判なのです。また健常者と視覚、聴覚障害者が一緒に映画を楽しむことが出来る北海道ユニバーサル上映映画祭でも実行委員会代表を務められています。10年続いている映画祭の取り組みが評価され、昨年度は国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰を受賞されました。
この日、函館のお寿司屋さんでお会いした島さんは、「遠くまでよく来て下さった」と優しい笑顔で迎えてくれました。そして「スポーツと芸術は共通点が多いです。平和の象徴ですし、共に色んな人と一緒に楽しむことが出来る」と話しました。今年から函館マラソンがフルマラソン化されることについて「視覚障害のランナーの伴走を子ども達にして欲しい。42人の子どもが1kmずつ伴走リレーするといいと思いませんか」と嬉しそう。映画祭のワークショップに参加する子ども達の心のバリアフリーを感じてきた島さん。特に不登校の子どもに声をかけ、伴走の経験で何か変わればいいと思っています。
そして「甘えた障害者福祉はダメです」ときっぱり話します。受け身ではなく、障害者が社会の貢献のために何が出来るかと常に考えているところがステキなのです。島さんの視点を大切に、これから私も一緒に何か出来そうで夢が膨らみます。
(共同通信/2016年6月13日配信)
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