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おしゃべり散歩道2016

石巻で元気のたすき渡し

 関東地方が梅雨入りした6月5日、2年振りに石巻市へ。旧北上川河口を臨む日和山へ登ると、カサ上げ工事が進み、建設中の復興公営住宅がいくつも見えました。
 この日、石巻専修大学のキャンパスで「石巻圏元気つなごう!絆フェスティバル」が開催されたのです。一昨年に続き2回目の今年は好天に恵まれ、6人でタスキを繋ぐ駅伝には87チームが参加。年齢層は小学校1年生から76歳までと幅広く、それを応援する伊達黒船太鼓と鳴瀬鼓心太鼓が会場に響き渡りました。
 そして、スタート前には石巻専修大学女子競走部の練習が公開されたのです。昨年発足したばかりのチームですが、泉田利治監督の下、半年後には全日本大学女子駅伝に出場するという偉業を成し遂げました。「いつも地元が応援してくれるから、今日は恩返し。子ども達が何か感じてくれればいい」と泉田さん。300mを25本という厳しい練習でしたが、選手達が必死に追い込む姿や凛としたランニングフォームを子ども達は食い入るように見つめていました。
 その後、泉田さんは「この大会は東北電力が支えています。ゼ(デ)ンリョクで走って元気を電線(伝染)させましょう」と。会場は大笑い。明るいムードの中で各チームがタスキを繋ぎ、すれ違うランナーにも「がんばりましょうね」と声を掛け合っていました。
 石巻市長の亀山紘さんは「石巻市と近隣の女川町、東松島市を合わせるとまだ2万人近くが仮設住宅で暮らしています」と話します。でも平成28年度末には9割の方が仮設住宅暮らしを終えることが出来るそうです。復興は着実に進んでいると感じました。これからも共に汗をかきながら元気のたすき渡しをしたいと思います。

(共同通信/2016年6月6日配信)

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