増田明美のホームページ ビデオメッセージへ各種お問い合わせへトップページへ

TOP > おしゃべり散歩道 > 2016年目次 > エッセイ第12回
プロフィール
おしゃべり散歩道
イベント情報
出演予定
執筆活動
リンク集

おしゃべり散歩道2016

文句なしの選考結果

 穏やかな春の陽気に桜の蕾も膨らんだ3月17日、都内のホテルでリオデジャネイロ五輪マラソン代表の選考発表がありました。まさかの結果だったら、また吠えようかと思って出かけましたが、今回は文句なし!誰もが納得のいく結果でした。
 女子は伊藤舞さん(大塚製薬)、福士加代子さん(ワコール)、田中智美さん(第一生命)が選ばれ、性格も競技者としての持ち味も違う三人。記者会見には伊藤舞さんが顔を出し、二年前にアメリカ・コロラド州のボルダーで行われたナショナルチームの合宿で、共に練習した福士さん、田中さんとリオ五輪に出場できることが嬉しいと話しました。そして「その時の合宿には野口みずきさんもいて、みんな野口さんの練習への姿勢や言葉に刺激を受けました」と。強さや優しさも先輩から後輩に受け継がれていくんだなと感じました。
 選ばれた三人は個性的です。伊藤さんは冷静沈着なお姉さんタイプ。レースになると粘り強さを発揮します。福士さんはヤンチャで超自然体。スピードは一番です。田中さんは普段は気配りの人ですが、レースとなると勝負師に変貌。
 この選考をみて、次世代の良き指導者が育っていることにも感銘を受けました。これまで女子マラソン界にメダルをもたらした選手の指導者は小出義雄さん(76)と藤田信之さん(75)が有名でした。それが今回、伊藤さんの監督の河野匡さん(55)、福士さんの監督の永山忠幸さん(56)、田中さんの監督の山下佐知子さん(51)も若くて、共に緻密な理論派です。指導者の力は大です。リオ五輪は選手と監督が一丸となって、それぞれの持ち味を発揮しながら、チームニッポンで戦うことでしょう。復活の風が吹いています。

(共同通信/2016年3月18日配信)

次のエッセイを読む 【2016年の総合目次へ】 前のエッセイを読む


Copyright (C)2001-2021 Kiwaki-Office. All Rights Reserved.
サイト内の画像・文章等の転載・二次利用を禁じます。