五輪代表の美技間近に
河津桜が満開だった2月下旬、静岡県掛川市で開催された都道府県対抗トランポリン大会を見学に行きました。この大会は一般財団法人地域活性化センターが11年前に創設した「スポーツ拠点づくり」の助成金を一助に開かれたもの。今や地域に根づいた素晴らしい大会となっています。大会期間中には体験会も行われ、約120人の市民がトランポリンの面白さを体感しました。
この日、会場に入ると東山茶という掛川産のお茶のサービスがあり、40の都道府県から参加した選手や関係者が足を止めて一服。「こんなに美味しいお茶を飲んでいるから静岡の人は健康長寿なんだよね」と前橋市から来た人も嬉しそうでした。
10歳以下の部から17歳以上の部まで、選手は会場に置かれた6台のトランポリンの上で競技します。間近でみるのは初めてでしたが、着地していい部分が一畳分しかないことや、センサーで機械的に滞空時間を計っていることを知りました。
選手の中に一際高く跳ぶ人が。まるで東京タワーのように凛々しくそびえ立つ感じで、目を見張りました。「リオ五輪に出場が決まった伊藤正樹選手ですよ」と担当の方に言われ、納得。伊藤さんはロンドン五輪では4位でしたが「リオは難度を磨いて金メダルをとりますよ」と、きれいな目で話してくれました。会場にはもう一人、リオ五輪代表の棟朝銀河さんの姿も。棟朝さんの技の美しさに見惚れてしまいました。伊藤さんも棟朝さんも子どもの頃に大泉スワロー体育クラブに所属していたそうです。クラブのコーチの岡嶋正治さんにお話を伺うと「二人とも目立って礼儀正しい子どもでした」と。競技中の凛とした姿は生きる姿勢から生まれるものなのでしょう。
(共同通信/2016年2月22日配信)
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