ジュニアクラブに原点
視界を遮るような雪が舞った安芸路。1月24日に開催された「天皇杯第21回全国都道府県男子駅伝競走大会」を熱い走りで制したのは愛知県チームでした。一週間前の女子の大会に次ぐアベック優勝はお見事。1、2区でまずまずの流れを作り、3区の田中秀幸さん(トヨタ自動車)と4区で愛知高校の三輪軌道さんが区間賞。4区でトップに立つと5区も同校の青木祐人さんが好走。そのまま先頭を譲らず7区アンカーの山本修平さん(トヨタ自動車)が笑顔でゴールしたのです。中学生の頑張りも光りました。昨年、たすき渡しのミスで失格になっていただけに、喜びもひとしおでしょう。
実業団選手も含め、県内出身者だけのチームで優勝した愛知県。その強さはどこにあるのでしょう。
山本さんは優勝インタビューで女子も優勝だったことに触れられ「亜由子も頑張ったので」と話ました。女子のアンカーを務めた鈴木亜由子さんは時習館高校の同級生。子どもの頃は豊橋陸上クラブで一緒に練習したこともあります。当時を良く知る地元・東三河陸上競技協会会長の夏目輝久さんは「亜由子さんのほうが速かったですよ。でも修平くんは穏やかな性格で、いつも亜由子さんに追いつきたいと思って成長していきました」と話します。夏目さんの話によると、豊橋にはたくさんの陸上クラブがあります。豊橋陸上クラブの他にもTFC豊橋やTTランナーズというものも。「子どもの頃から専門的ではなく、遊びながら走れるのがいいですよ」と夏目さん。ジュニア時代に陸上クラブで走ることを好きになり、楽しく競技を続ける選手たち。その原点を育んだクラブの指導者の皆さんの努力が実を結び始めています。
(共同通信/2016年1月25日配信)
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