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おしゃべり散歩道2016

道下さん、リオへ意欲

 昨年暮れに福岡市にある大濠公園で視覚障害マラソンランナーの道下美里さんと待ち合わせ。NHKのスタジオでラジオの対談があり、その前に一緒にジョギングの約束をしました。道下さんは、今年のリオパラリンピックから正式種目となる女子マラソンの日本代表の最有力候補。一昨年12月に防府読売マラソンで2時間59分21秒をマークし、当時の世界記録を更新。昨年の同大会でも2時間59分32秒で走り、リオでも十分メダルが期待される選手なのです。
 「増田さーん」と、伴走者と共にいらした道下さんの明るい声がしました。144cm、36kgの小柄な選手で、笑みを絶やさない可愛らしい人です。一緒に体操をし、走り始めると、道下さんは足の返しが速いピッチ走法でした。身長が151cmの私がストライド走法なので、私の一歩と道下さんの2歩が同じ位。「リズムが違うのが面白いですね」と道下さん。ピッチ走法のほうが筋肉にかかる負担が少ないのでマラソン向きよと私が話すと、「でも後半にペースを上げる時はストライドを伸ばしたいんです。どんな練習をしたらいいですか?」「私は腹筋3000回してたけど」「えー、スゴイ!でも私はムリ」と道下さん。大濠公園は1周2km、沢山のランナーが走っていますが、皆、彼女に気付くと「みっちゃーん」と。道下さんはそれに笑顔で応えます。会えば誰もが愛らしい彼女のファンになってしまうのです。
 リオに向けて「後半は出来るだけガイドロープ(伴走者とをつなぐ紐)を持たずに、両腕を大きく振りたいと思います」と。昨年4月の世界選手権(ロンドン)では3位だった道下さん。小さな巨人は、後半のスパート力を磨き、リオで金メダルを狙います。

(共同通信/2016年1月8日配信)

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