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おしゃべり散歩道2003

海外の日本陸上選手第1号

 全日本実業団対抗女子駅伝が12月14日に行われ、冬の美濃路を選手たちが駆け抜けました。花の3区は27人中6人がケニアや中国の外国人選手たち。区間賞はケニアのルーシー・ワゴイ選手(スズキ)でした。
 「彼女のおかげでチーム全員がやる気になってきた。練習にまじめに取り組む姿勢だけでなく、家族思いのところも勉強させてもらっています」とスズキの小沢欽一監督は話します。また、ケニア、中国の選手を持つ他チームの監督たちも同様のことを話すのです。
 これは日本選手が海外の選手からいい刺激を受ける例ですが、先日、逆のケースを韓国の新聞で読みました。日本のノーリツチームに所属していた鈴木まどかさんという選手が韓国に渡り、語学研修に励んでいました。その後、市民マラソン大会に出場しながら頭角を現し、大会で出会った韓国の男性と結婚。現在生後10ヵ月の息子がいますが、鈴木さんは「三星電子陸上団」からスカウトされ、契約を交わしたそうです。
 さて、日本ではどういう選手だったのでしょうか? 早速、ノーリツ陸上競技部の上岡忠明監督にお話を伺いました。「よく電話や手紙で話していますよ」と、やはりこのニュースがうれしい様子です。話によると、韓国ではまだ女子長距離種目が盛んではなく、五千メートルを16分台で走れば一流選手のようです。鈴木さんのベスト15分52秒は韓国記録。彼女は奈良・添上高3年生の時、インターハイの三千メートルで2位に。その後、天理大に進みノーリツへ。しかし、実業団に入って半年後に内臓を悪くしてドクターストップがかかったようです。「大学で英文科だったこともあり、語学が堪能で、韓国へ行く前はカナダで語学研修していましたよ」と監督。帰化許可書を受け、新しい環境で走り始めた鈴木さんと「たまに日本へ来て韓国、日本チームの交流合宿をしようね」と話しているようです。海外に腰を落ち着けて活躍する日本の陸上選手第1号となりそうです。

(共同通信/2003年12月24日配信)

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