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おしゃべり散歩道2003

やんちゃだった広治君

 ハンマー投げの室伏広治選手(ミズノ)は千葉・成田高出身で、わたしの後輩になります。世界陸上が行われているパリに、お互いの高校時代の先生である小山裕三さんが解説のため現地入り。3人で昼食を取りました。
 小山さんは現在、日大助教授で、砲丸投げの元日本記録保持者です。
 ”世界の室伏”も、先生の前では「広治君」と呼びたくなるほど、かわいらしい表情になります。中学2年まではプロレスラーになりたかったそうです。子どものころから格闘技が好きで、友だちとじゃれ合う中でプロレス技が…。これは陸上競技を専門に始めた高校でも同じでした。
 「(友人が)『広治が新しい技が出るたびに、僕に試すんです。先生、痛くてたまりません。何とかしてください!』って言っていたぞ」
 小山さんの暴露話に、広治君は懐かしそうに笑っていました。「あいつ今、何してますか?」「千葉県警の警察官だよ」「えー、大変だあ」
 そもそも、広治君のお父さんで、鉄人といわれたハンマー投げの元日本チャンピオンの重信さん(中京大教授)は、やんちゃな息子を厳しい環境の中で生活させたかったようです。そこで、厳しさで定評があった成田高教員で陸上部監督の滝田詔生先生(故人)の元へ。広治君は、滝田先生の自宅の離れで下宿生活となりました。
 同僚と交代で炊事、掃除する規則正しい生活。朝の練習に寝坊すると、先生が起こしに現れたそうです。「よくけ飛ばされましたよ。痛かった! いつだったか、(同僚が)け飛ばされたとき、寝ぼけて部屋の中をぐるぐる走り回っていた。おかしかった」と大笑いしていました。
 こんなネアカの広治君が目指すのは、来年のアテネ五輪での金メダルです。

(共同通信/2003年8月27日配信)

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